どうもどうも、ぶんです。
新潮文庫nex「いなくなれ、群青」(著:河野裕)を読んだのでその感想を書いていくよ。
今回はネタバレに考慮してないよ。
肌に合わなかったのか微妙な感想になってると思うからネガティブな記事読みたくなかったら閉じてくださいな。
簡単にあらすじ書くよ
主人公は「階段島」ってところに突然放り出されて生活してるのよ。
階段島は離島らしくてちょっと不便だけど普通に生活できる不思議な島。電気も通ってるしアマゾンも届く。ただし外部にメールを送ったりはできない。
船も出ているけれど島の外には連れて行ってくれない。密航した人もいるけど最終的には島に帰ってきてしまう。
階段島の長く続いている階段の先には魔女が住んでいるらしい。
ここは捨てられた人たちの島で。島を出るには失くしたものを見つけないといけない。
とまぁそんな場所である。
主人公の七草君の通う学校ではちょっと癖の強い先生と生徒がいる。
学校が怖い先生、ゲームミュージックを聴いていないと落ち着かない友人、虚言壁のある生徒。
そんな癖の強い人たちに囲まれて七草君は別に帰りたいわけでもないので、のんびりと毎日平和で穏やかに階段島の生活を送ってた。
が。
ある日階段島に少女がやってくる。
やってきた少女は真辺由宇という少女は七草君の知り合い。
七草君は彼女にだけは会いたくなかった。
って感じで話が始まるんだよね。
癖のあるキャラクター
もうみんな癖だらけよ。
七草君が屋上で会う生徒は自分のことを「百万回生きた猫」って名乗る。まぁそんなわけはないんだけどね。七草君以外の人には別の名前を名乗ってるし。
真辺さんはなんていうかもう、常識があんまし通じない。裏表紙の紹介文には「誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女」って書いてあるんだけど、読んでたら猪突猛進が過ぎて終盤までしんどかった。行動するキャラでこの子が動かないと話が進まないから仕方ないのかもしれない。
結構無茶苦茶な真辺さんをフォローするのが主人公の七草君なんだけど、巻き込まれているようで自分から真辺さんの無茶に付き合ってる。真辺さんをよく注意する。でも「やれやれ系」主人公とはちょっと違う感じだ。
学校が怖い先生(トクメ先生)は階段島に来る前も教師やってたけど色々あって生徒の前に立つのが怖くなってしまったらしい。名前と顔の上半分を仮面舞踏会的なマスクで隠している。根がまじめで理想に燃える先生だから先生をやめられないみたい。
意外と登場人物多いからこの辺にしとくね。
登場する大人はみんな哀愁があってよかったと思うよ。続編では階段島で暮らしている大人の人の話があるみたいだからそこはちょっと気になるね。
ネタバレ含んだ感想
後半の後半になれば多少面白かった。というのが正直なところ。
階段島の謎を主人公が話してくれるところは確かに面白かったけど、青春ミステリって言われながらも不思議な要素があったから大してびっくりはしない。
というより「謎を解き明かした」わけではなく、主人公は「初めから知ってた」と言うのだから茶番もいいところだ。ちょっと考えたらわかりました感がすごい。
ネタバレだけど、階段島には「捨てられた人格」の吹き溜まりなのよ。
悲観的にしか物事を考えられない七草君は成長過程で悲観的な人格を捨てたということ。その人格が階段島に放り込まれたわけですね。現実の七草君は悲観的でなくなっているのだろう。
真辺さんは真っ直ぐさ、というか猪突猛進さを捨てたということ。現実ではどうなってるんだろうね。
シリーズを読み進めて行ったらわかるのかもしれないけど多分買わないなぁ。
賛否両論あると思う
どの商品、どの本でもレビュー見たらそれなりに賛否両論あると思う。
表紙、裏表紙をみて「うおおお読みたい!!」って思った人は楽しく読めるのではないかと思う。何でも読む人はすーぐ買っちゃうけど、大体みんな自分の直感とか自分ルールみたいなので本を買うと思うから二の足踏んでる人もいると思う。
気になった方は私の感想見ても読むと思うのよね。
でも、迷ってる人とか、まぶしいぐらいの青春ものが読みたい人、がっつりミステリー読みたい人にはお勧めできない。ミステリーかどうか聞かれたらうーーーんってなっちゃう。
300ページぐらいだし、基本的には読みやすい文章だからすぐ読めるから時間つぶしにって人にも私はお勧めしない。
特にキャラクターの視点に意識がどんどんフォーカスされて読み進めるたびに同調していくタイプの読者はおそらく楽しめない。
ちょっと不思議な話とか、人が死なない系のミステリー好きなら楽しめるかもしれない。ミステリーかどうかはちょっとわかんないけど。
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